神韻の振付師、陳永佳へのインタビュー

「最初からもう一度やってみよう」。音楽が徐々に消えていく中、息を切らすダンサーに向かって陳の声が響きました。セッションはとっくに終わっている時間ですが、勤勉で自己鍛錬に励む陳永佳にとっては通常のことでした。人生で己の望むところへと、こうして着実に進んできたのです。

世界の舞台のために多くの振り付けを生み出す熟練者。幼い頃から志を抱いていましたが、ダンスアカデミーの入学を拒否されそうにもなりました。大小の苦難にもぐらつくことはなく進み、神韻と出逢い、自己の制作に大きな意義があることを見出しました。

展望のある舞台

受賞レベルのダンサー、振付師、教師として成熟するに従い、北京そして台湾へと進出していきました。

2007年、ニューヨークを拠点とする新唐人テレビが、第一回目の全世界中国舞踊大会を開催するところでした。すでに30代後半で、アキレス腱の断裂からようやく回復したところでもあったので、陳は舞台に別れを告げる意味で参加することに決めました。しかし、金賞を獲得し、全く新しい人生が待ち構えていたのです。

「自分は運が良かったというしかないです」

全世界中国舞踊大会を通して陳は神韻芸術団のことを知り、すぐに入団します。

「目に見えない力に引き寄せられる感じでした。新たな出発点に立つように言われているかのようでした。そして妻のシヤと息子たちとともに台湾からニューヨークに移りました」

シヤ・ヤン夫人は、初めて神韻の舞台を踏む夫の姿に驚きを隠せなかったと次のように語ってくれました。「いつも情熱的なダンスを見せていましたが、神韻では全く違ったエネルギーを放っていました。自分の踊りに深い意義を見出したかのようでした」

問：神韻に入団して何が変わりましたか？

陳：全てです。神韻では全てが異なるように感じました。踊りは私の人生で最も大切なものでした。しかし、今、私には信じるものがあります。神韻の一部になることは心身を高める過程でした。

伝統文化の復興に努めることは、自分の価値観や考え方を伝統文化に沿ったものにしていく必要があります。「伝統に戻る」ことは舞台にとどまりません。古代中国には神々を尊重し祀る文化がありました。現代で育った人間としては、考え方を改め、精神を少しずつ清らかにしていかなければなりません。

問：それはご自身が常に抱いていたものだったのでしょうか？

陳：神韻に入団してからこれらのことに気づきました。自己修煉の道である法輪功を修め、真善忍の理念に基づいて己を律し始めました。私の考え方や行動は、以前とはかなり異なるようになりました。名利への関心は薄れ、自分が心から本当にやりたいことが大切になりました。問題に直面したら、前向きに対処し、自己向上の手段とみなします。

問：ご自身の芸術にどのような影響をもたらしましたか？

陳：私だけでなく、団員全般に言えることだと思いますが、修煉者として神韻のアーティストたちは異なる出発点に立ち、創造の概念も異なります。善であり純粋なものを高めていくように努め、伝統的な要素を振り付けに採り入れます。

神韻は伝統文化の復興という面で世界をリードしています。これは私たちの使命であり、私たちのやることすべての基盤です。神々が存在すること、善には善の、悪には悪の報いがあり、未来には希望がある、というメッセージを伝えていきたいのです。

問：神韻での生活はどのようなものでしょうか？

陳：世界ツアーは4,5ヶ月間におよび、シーズンごとに100公演以上を演じます。バスと飛行機を利用しますが、時には車での移動に2,3日かかり、かなりの負担です。しかし、これらの異なる国々で公演することで、私の目は開かれ、視野が大きく広がりました。

ケネディー・センターやリンカーン・センターのようなトップ会場で舞台を踏み、アジア、欧州、カナダ、南米も廻りました。神韻のおかげで世界のステージで踊ることができました。パフォーマーにとってかけがえのない体験です。

問：ご自身の仕事をもっとも満足させるものは何でしょうか？

陳：世界の人々に正統的な中国文化、五千年の歴史の精髄を見せているということでしょう。ですから神韻の一部であることに誇りを感じるのです。自分の生涯の仕事は、これからの世代が中国の伝統文化を復興させるための役に立っている――これ以上の満足感はありません。